ミネラルウォーターについて
現在、日本国内で500銘柄を越えるミネラルウォーターが流通しています。輸入物も含めて、産地、製造方法、成分がそれぞれ異なっています。飲み比べると、「こんなに違うものか」と驚くばかりです。今は、水も自分の好みで選んで飲む時代になったのでしょう。
最近はミネラルウォーターの選び方等が書かれた書籍が多数発売されています。共通して書かれていることはミネラルの効用や、商品別の成分量などです、しかし一番重要なのは、その水が本当に安全なのかということではないでしょうか?
商品化されて市場に流通しているミネラルウォーターが実際にどのように製造されているのかについては製造元会社の社員しか知らないのが現状です。 つまり、消費者の立場から見れば、その商品と製造会社を信用するしかなく、高いお金を出して購入する側から検証することは不可能に近いものがあります。山奥の風光明媚な採水地で製造された製品も、市街地でくみ上げられた井戸水も「天然水」として普通に流通していて、「天然水はどの商品も似たようなものだ」という誤解が広まってしまっているように思えてなりません。古来から多くの人々に尊ばれてきた名水と、日本中でどこでも採水できる井戸水が区分されることなく販売されている現状は本当に残念でなりません。
ミネラルウォーターのあじについて
水の味を左右するものは、水に含まれるミネラルの成分と量にあります。ミネラルにはカルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、鉄、マンガンなどがありますが、一般にこれらのミネラル成分が多くなるほど苦味や渋みを増し、良く言うとキレのある、悪く言えば全般的に後味が残るような辛い水になります。ミネラル分が適量ですと、コクのある、まろやかで円満な味となります。(軟水)
ある教授によると、一般にカルシウムやカリウムは水の味をおいしくさせ、マグネシウムや硫酸イオンは水をまずくさせるそうです。 |
ナトリウム |
塩化ナトリウムは塩辛さ、硫酸ナトリウムは渋み。 |
カルシウム |
のど越しのよさ、まったり感。含有量が多すぎると重いような感じ。 |
マグネシウム |
含有量が多すぎると苦味が出て飲みにくい。 |
カリウム |
味を引き締める。 |
ナトリウムやマグネシウムは明確に味覚に感じられますので、これらが突出して大量に含まれる水は口の中に後味を残してしまい、飲みにくい味になるようです。ミネラルの摂取を主目的としてマグネシウムの含有量の多い後味の苦い硬水を選ぶか、水の味を優先して軟水を選ぶかははっきりさせておいたほうがいいでしょう。
おいしい水を求めるならマグネシウム分が少ないものを、多少後味が苦くても飲み水からミネラル補給をされたい方はミネラル含有量が少しでも多い水を探せばよいでしょう。味を楽しむ、飲み水としてのミネラルウォーターを考えるなら、苦味や渋みがない水が優越するということは、言うまでもありません。 |
理想的な採水方法と製造方法
ナチュラルミネラルウォーターの理想的な採水方法は自然噴出している水を空気に触れさせず直接採水することです。自然噴出とは高い山脈からの浸透水の圧力が地下水にかかっていて、その圧力で水が湧出している状態のことです。地下の内部からの強い圧力がかかっていると、万一、地表から有害物が流入する状況になったとしても有害物の混入を防ぐことができます。自噴していない地下水を人為的に井戸を掘って汲み上げる方法もありますが、適量の採水であればともかく、この方式で大量に汲み出すと、水位が低下して周辺地域の汚染物質の影響を受ける可能性はが出てきます。
|
ヨーロッパのナチュラルミネラルウォーターに対する考え方は非常に厳格で、採水地環境の管理と保全状況、原水の状態のままで製品化されているか(人為的な加工がされていないか)について問われます。つまり、原水を加工したり、熱処理を加えたりしたものはナチュラルミネラルウォーターとしては失格で、「ナチュラルミネラルウォーター」の名称の使用は許されていません。つまり、ヨーロッパでは、生のまま、なんらの処理もせず飲める水だけが「ナチュラルミネラルウォーター」であるという考え方をしています。
一方、日本の場合は食品衛生の観点から除菌処理を義務付けてきたことが輸入障壁となり、ヨーロッパ諸国からの圧力で無除菌・無殺菌ミネラルウォーターの法的整備を急ぐこととなりました。その結果、一定の条件下で無除菌・無殺菌のミネラルウォーターの輸入を認めることとなりました。現在では輸入ミネラルウォーターのうち、特定の採水条件で一定の水質のものは無除菌・無殺菌でも販売を認め、国産品に対しては「ナチュラルミネラルウォーター」の名称の使用の条件として、除菌方法が沈殿、ろ過、加熱処理のもので、水質検査に合格したものを認めるという製造基準になっています。「ナチュラル」の語句を使用せず、単に「ミネラルウォーター」として製造する場合は複数の異なった水源が認められる(原水の混合)ほか、オゾン処理や紫外線殺菌などの処理方法が認められており、「ボトルドウォーター」として製造する場合は飲用可能であれば原水が井戸水や水道水であっても製造が認められています。(スーパーの大型機械で小売されている水や、RO水として宅配されている水がこの類です)
ミネラルウォーター類(容器入り飲料水)の分類 |
分 類 |
品 名 |
原 水 |
処理方法 |
ナチュラル
ウォーター |
ナチュラル
ウォーター |
特定水源より採水された地下水 |
ろ過、沈殿及び加熱殺菌以外の物理的・化学的処理を行わないもの
|
ナチュラル
ミネラル
ウォーター |
特定水源より採水された地下水のうち、地下で滞留又は移動中に地層中の無機塩類が溶解したもの・鉱水・鉱泉水等 |
ミネラル
ウォーター |
ミネラル
ウォーター |
ナチュラルミネラルウォーターの原水と同じ |
ろ過、沈殿及び加熱殺菌以外に次の処理を行ったもの
・複数の原水の混合・ばっ気・オゾン殺菌・紫外線殺菌等 |
ボトルド
ウォーター |
ボトルド
ウォーター
又は飲用水 |
飲用適の水・純水・蒸留水・河川の表流水・水道水等 |
食品衛生法に適合していれば処理方法の限定はなし
(RO水など) |
ミネラルウォーターの製造処理の方法の一つに加熱処理がありますが、加熱処理をした水は悪く言えば「湯冷まし」のようなもので、原水の持つ天然成分を変化させると同時に、適度に含まれているとおいしいとされる炭酸ガスも抜けてしまい、処理コストは安いですが、原水の風味が台無しになってしまいます。一度加熱してしまうと決して再び元の風味には戻りません。
濾過による処理方式は加熱処理に比べて製造コストがかかりますが風味をほとんど損なわず除菌できる処理方法で、現在、おいしいと評されるミネラルウォーターの多くは非加熱処理、濾過による処理方式が一般的です。
ピュアウォーターとは
ピュアウォーターとミネラルウォーターの違い |
ミネラルウォーターは、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル分など、様々な物質が含まれているため独自の味がします。他方、ピュアウォーターはミネラル分を始めとした不純物を含まない水、つまり純水です。 ピュアウォーターの先進国はアメリカですが、最近は日本でもピュアウォーターが注目を集めています。それでも日本ではまだ認知度が低く、ピュアウォーターを知らない方が多いですが、アメリカではミネラルウォーターと同様の認知度、人気がある水です。軟水であるピュアウォーターは日本人の口に合うと言われていますので、近い将来は日本でもメジャーな飲料水になるかもしれません。 |
ミネラルウォーターからミネラルを摂取しようと考えている方へ |
ミネラルウォーターに含まれる程度の量ではミネラル摂取の効果は全く期待することはできない。基本的に水であるため、大量に摂取すれば摂取するほどに尿の量も増え、それに伴ってミネラル分も吸収した傍から排出される。当たり前であるが、ミネラル分はきちんと食事から摂取した方が良い。 |
注目サイト
プロテオグリカンサプリ
Last update:2024/4/25
|